"新素材"という言葉が氾濫しているが、ラドー(RADO)はその先駆けだ。
例えば、超高級時計メーカーもこぞって取り入れる「セラミックス」を、いち早くケース素材に採用したのはラドーである。1980年代中頃から使用しているというから、既にキャリアは20年以上だ。セラミックスは金属素材にはない光沢感と感触が特徴だが、2007年からはこの強固な素材にマット仕上げを施すことに成功。やさしいニュアンスを演出できるようになった。
またケースの耐傷性能に対する考え方も、ラドーは先駆者だった。主に工具用の金属素材だった超高硬度金属「ハードメタル」を時計ケースに採用したのは、その表れである。
ハードメタルの原料はタングステン・カーバイト、または、チタン・カーバイトという粉末。これを高圧で金型に流し込んで高温で焼き上げ、ダイヤモンド粉末で磨いて仕上げる。傷がつきにくいというケースの思想は、現在の表面加工技術の先駆けと言えるだろう。
つまりラドーという時計メーカーは常識に捕らわれぬ、大胆不敵さをモットーにしているということだ。例えば2009年のバーゼル・ワールドで発表した「r5.5」は、人気の工業デザイナー、ジャスパー・モリソンが手掛けている。
時計のデザインはほとんどが時計専業デザイナーによるもの。しかし、その常識を打ち破ったことで、硬質なセラミックス・ケースでありながら柔らかなフォルムを作り出すことができた。
「r5.5」は2010年も継続して発売され、初の自動巻きクロノメーター・モデルも登場している。さらにホワイト×シャンパンゴールドという女性も好みそうなモデルも追加しており、今後のラドーの中核を担うまでに成長しそうだ。
そして長年ラドーをけん引してきた 「ジ・オリジナル(The Original)」の伝統を継承し、ケースをセラミックスに変更したモデルも登場。ラドーの新時代は既に始まっている…。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年7月現在のものになります。
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