2008年はオリンピックイヤーとして、オメガ（OMEGA）ならではの記念モデルが目立ったが、2009年のオメガ（OMEGA）は、何と言ってもアポロ11号の月着陸40周年を記念するアニバーサリーモデル「スピードマスター 月着陸40周年記念モデル」と、「シーマスター プロプロフ 1200M」の登場が目を惹いた。どちらも、オメガ（OMEGA）が人類の進歩と躍進に寄り添い、ときにリードしてきた偉大な足跡を感じさせ、歴史とオリジナリティを静かに誇る新作だ。
　オメガ（OMEGA）がここ数年押し進めている、プロダクトへのコーアクシャルキャリバーの搭載は、もちろん今年も続いており、現在自動巻の時計の80％がコーアクシャルである。Cal.8500をベースとしたキャリバーを収めたメンズの「コンステレーション」、「アクアテラ　アニュアルカレンダー」が登場。コーアクシャルの可能性を無限に広げて行こうとする、ぶれないオメガ（OMEGA）の姿勢を感じることができる。
　過去の遺産と現在の技術の革新を、絶妙なバランスで組み合わせるだけでなく、新しい時計の価値観と時代性を的確にとらえたオメガ（OMEGA）ウォッチには、常にプロダクトとしての＜ミッション＞と＜メッセージ＞が力強く息づいている。

　1970年に発表され、オメガのダイバーズウォッチ史上でも非常に重要な「シーマスター プロフェッショナル600」。フランス語でプロダイバーを意味する＜Plongeurs Professionnels＞から、＜プロプロフ＞という愛称がついた。ケースは削りだしのSS無垢を使用したワンピース構造で、リューズが左側・9時位置につき、2時位置にベゼルの逆回転を防止するセーフティボタンを備え、600mという当時にしては非常に高い防水性と水中での機能性を併せ持つモデルの開発に、オメガは4年の歳月をかけた。
　そしてその歴史的モデルを忠実に復刻させたのが、この「シーマスター プロプロフ 1200M」である。今回ベゼル逆回転防止ボタンの材質がSSでオレンジカラーになり、ベゼルにサファイアクリスタルを使用。ブラック、もしくはオレンジのラバーストラップモデルも存在するが、特に海での耐久性を誇るSS製メッシュベルトの採用にも注目したい。コーアクシャルキャリバー8500を搭載に加えて1200m防水を備え、伝説のダイバーズウォッチが見事コンテンポラリーモデルとして蘇った。

文：天野靖恵　写真：板津亮

※表記は2009年4月現在のものになります。