1775年の創業以来、“パラシュート”と呼ばれる史上初の衝撃吸収装置、外端を持ち上げることで三次元的に曲げて重心移動を最小限に抑えたひげゼンマイ(巻き上げひげ=ブレゲひげゼンマイ)、そして脱進機と調速機全体を回転させることで重力の影響を分散し、精度を向上させるトゥールビヨンなどの発明で、時計産業の歴史に重要な足跡を残してきたブレゲ(Breguet)。
その存在は、今もなお世界に影響をもたらし続けており、近年ではシリコン製ひげゼンマイや脱進機部品の開発、そして従来は時計の大敵だった磁力を味方に付けたマグネティックト・ピボットなどを世に送り出している。
このような高度な技術を背景に、2014年のバーゼルワールドにおいてもブレゲはいくつもの新作を発表した。
たとえば「クラシック トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー 3797(Classique Tourbillon Quantiéme Perpétuel 3797)」は、パーペチュアルカレンダーの表示機構と視認性を向上すべく、立体的な構成を文字盤に採用。同時に発表された「クラシック トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー 3795(Classique Tourbillon Quantiéme Perpétuel 3795)」は、そのスケルトン・バージョンであり、このふたつを見るだけで、ブレゲの時計作りがいかに優れているかを知ることができる。
また、2014年はレディス・モデルも充実しており、「クイーン・オブ・ネイプルズ 8968(Reine de Naples 8968)」では伝統のフォルムにモダンな意匠を取り入れ、新たな方向性を示したのである。