フルリエとジュネーブで強固なマニュファクチュール体制を敷くショパール(CHOPARD)にとって、メンズ・コレクションの中核のひとつが、モータースポーツ関連のモデルである。これは時計界でも有数のカー・エンスージアストであり、ヴィンテージカーのコレクターでもあるショパールの共同社長、カール-フレドリッヒ・ショイフレ氏のライフ・スタイルと密接に関係している。
奇しくも2013年の今年は、ショパールがイタリア有数のクラシックカー・レース「ミッレ ミリア(Mille Miglia)」の公式スポンサーを務めて25年目を迎える記念の年。当レースに自らステアリングを握って参戦するショイフレ氏には、単なる趣味や道楽以上の真摯な姿勢が垣間見え、よって自ら指揮を執るショパールのモータースポーツ関連の時計も、他のマニュファクチュール・ウォッチ同様隙の無い完成度を誇っている。
本年のバーゼルワールドでは、特にこれらモータースポーツ関連と複雑系の新作が充実していた印象が強い。
まず「クラシック レーシング コレクション(CLASSIC RACING COLLECTION)」からは「ミッレ ミリア 2013 GMT クロノグラフ(Mille Miglia 2013 GMT Chronograph)」と「スーパーファスト(Superfast)」が登場。当レースに触発されたモチーフが散見できる前者は限定版での発表、方やクロノグラフ、パワーリザーブの2モデルが揃った後者は、精悍なレースエンジンを想起させるパワーに満ち溢れた自信作である。一方、マニュファクチュール・コレクションの最高位「L.U.C」では、モーターカーのパワフルなエンジンをイメージさせる「L.U.C エンジン ワン H(L.U.C Engine One H)」のスタイリッシュさに圧倒される。また同コレクションの「L.U.C パーペチュアル T(L.U.C Perpetual T)」は、クラシックな複雑時計機能をダイアルのギョーシェやインデックスなどで、ぐっとモダンにした新解釈デザインのコンプリケーションだ。
こうして印象的な新作を一覧すると、クラシックな時計機能をモダンに解釈し、それをレース・スピリットでまとめる新作がますます充実してきた感の強い2013年のショパールである。