アメリカ・オハイオ州で創業されたボールウォッチ(BALLWATCH)は、正確無比な鉄道時計がルーツ。しかし現在はタフネスウォッチのジャンルで名を上げ、非常に好調な売れ行きを示しているようだ。
ボールウォッチを語る上で、最も評価されるのはコストパフォーマンスの良さだろう。付加機能にこだわったモデルであっても30万円前後に収めるというのは、価格が高騰し続けるスイス時計業界においては、かなり目立っている。
しかしボールウォッチの魅力はそれだけではない。オリジナリティ溢れる技術を持ち、マテリアルにもこだわる。つまり時計技術の最先端を歩んでいるにも関わらず、コストパフォーマンスが良いという、驚異的な時計メーカーなのである。
その原動力となっているのが、ボールウォッチのチーフ・テクノロジー・オフィサーを務めるフィリップ・アンティル氏。彼はロレックスの機械式ムーブメント部門の技術責任者として19年勤務したという実力者。
2008年にボールウォッチに入社して以降、最高技術責任者として製品開発を担当している。ボールウォッチの製品レベルが格段に上がったのは、彼の力によるところが大きいだろう。
中でも昨年末に発表され、2012年のバーゼルワールドでも話題となった「エンジニア ハイドロカーボン ディープクエスト(ENGINEER HYDROCARBON DEEPQUEST)」に注目したい。加工の難しいチタン素材で、裏蓋まで一体型のケースを作り上げた。防水能力は3000mを誇り、ダイナミックなデザインでも話題を集めることだろう。