2010年は、ベストセラーとなった新しいメンズ・コレクション「カリブル ドゥ カルティエ(Calibre de Cartier)」や、独創的なトゥールビヨンやジャンピングアワー、スケルトン・ウォッチなどで話題を提供したカルティエ(Cartier)だったが、2011年のSIHHでは伝統工芸の技を極めた「カルティエ ダール(Cartier d'art)」コレクションを筆頭に、豊富でバランスの取れた新コレクションを発表した。
特に注目すべきは前述の「「カルティエ ダール」コレクションだ。これは6つの作品で構成され、1000以上の石で図案を描き出すモザイク技法、ステンドグラスのような透明感を実現した特殊なエナメル技法、彫刻とエナメル彩色を融合させたシャンルベ技法、木材を薄くスライスし緻密に組み合わせたマルケトリ技法など、ヨーロッパ伝統工芸の見本市とも言うべき圧倒的な表現力で希少性の高いタイムピースを実現している。