創業数百年という老舗が少なくないスイス時計業界にあって、徐々に頭角を現しつつあるのが、創業30年前後の中堅メーカーたち。時に"伝統"に束縛されて身動きが取れない老舗メーカーと比べて、時計作りに対する柔軟性が高いため、独創的な素材選びやデザインに凝ることができる。
もちろんスイスの伝統的な時計作りのエッセンスも加えることができるので、伝統と革新の両面を提案できるのだ。
「ポール ピコ(PAUL PICOT)」の創業は1976年。スイス時計産業の聖地"ウォッチバレー"に位置する小さな街「ル・ヌアルモン」がその拠点である。
ポール ピコの名を一気に有名にしたのはクロノグラフ・シリーズ「テクノグラフ(Technograph」の成功だろう。2005年に発表されたこのクロノグラフは二層式のダイアル構造になっており、左右に並ぶスモールセコンドと30分積算計の針が、高層に位置する時刻用ダイアルの下をくぐり抜けるというデザインになっていた。
今でこそ多層ダイアルは人気のデザインになったが、ポール ピコはその先駆けであり、中堅メーカーならではの大胆さを見せつけた。
さらに2010年のバーゼル・ワールドでは、ダイアル素材として天然のスレートストーンを使用する野心作「アトリエ 42 スレート(Atelier 42 Slate)」も発表。豊かな発想を形にできる柔軟さは、今後の時計界で勝負するための大きな武器になるだろう。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年7月現在のものになります。
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