2009年、各国メディアやディストリビューターの耳目を大いに集めたのが、バーゼルワールド会場のメインホールに程近い場所に設置された「パレス」というテントハウス。12の新進気鋭のユニークな独立系ブランドが合同出展したパレスは、時計業界の未来を占う、アヴァンギャルドで実験的な複雑時計がところ狭しと並べられた。その中でもひと際異彩を放っていたのが、MCT（マニファクチャー コンテンポラリー デュ タン）。ブランド名に見覚えがなくても、ハリーウィンストンの「オーパス」を手がけたチーム、といえば膝を打つ人が多いだろう。3つの特許を取得した超複雑ムーブメントから生まれる、見たこともないような動きを示す「セクエンシャル・ワン」は、機械式時計の可能性を切り開く快傑作。百聞は一見にしかず、とはまさにこの時計のための言葉だ。

※表記は2009年8月現在のものになります。