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ティソ TISSOT

CONCEPT

懐中時計にして、2タイムゾーン。これは、今も確かな技術力の進取の精神でウォッチメイキングにあたるティソが、創業当時に作っていた時計である。ジュラ地方のル・ロックル、時計製造を語る上で必ず登場する有名なこの町に、1853年、シャルル・フェリシアン・ティソが工場を開いた。そして早くも1858年にはその息子シャルル・エミール・ティソが、当時大きな時計市場があるロシアでその販路を広げるためにかの地に赴き、成功を収めたのである。これは、ティソが創業当初から海外に目を向けたブランド戦略を行っており、伝統にしばられがちなスイスの時計づくりに常に革新の風を送り込む気概にあふれていたことに他ならないだろう。1889年にはパリ万国博覧会でオール・コンクール賞、1898年にはジュネーブ博覧会で金賞を獲得し、そのイノベーションは既に19世紀に確固たる地位を築いていたのである。
ティソの創業以来変わらない創造性と高い技術、そして挑戦の精神はもちろんそのプロダクトに遺憾なく発揮され、2002年に復刻され世界的ヒットとなった「バナナウォッチ」のオリジナルは1917年の発表、そして1930年に世界初の耐磁時計が発表された。1953年には24のタイムゾーンをもつワールドタイムウォッチ「ナビゲーター」、1965年には超耐震性の「PR 516」、1978年にはF1のオフィシャルウォッチとしてデジタルウォッチを発表するなど、その「技術」の確かさは時代を経てなお磨きがかけられていく。1985年には石を時計本体の素材にして作られたロックウォッチ、1986年のアナログとデジタルで2タイムゾーンをあらわす「Two timer」、続く1987年に真珠母貝を時計本体に使用した「パール・ウォッチ」や1988年の木を素材にした「ウッドウォッチ」など、既成概念から脱却するユニークなプロダクトもリリースしている。
現在もドレスウォッチからテクニカルなスポーツウオッチまで、まさに八面六臂の多彩なラインナップを備えているが、サッカーのイングランド代表であるマイケル・オーウェンやMotoGP参戦のニッキー・ヘイデンをブランドアンバサダーに迎えるなどスポーツとの深い関わりを見せており、特に2000年以降はタッチセンサーを備えたハイスペックの「T-タッチ」シリーズの躍進が目覚ましい。
2008年には、新しいスポーツライン「レーシング」や「T-トラックス」、また2009年以降には待望の「T-タッチ エキスパート」や新たな高性能モデル「シー・タッチ」などが発売される予定。

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